ベルト式履帯のたるませ方

  さてさて、戦車といえば履帯と大砲。特に履帯はAFV独特のものですよね。
  最近の、特に海外メーカーのキットは連結式も増えていますが
  ここでは主にタミヤの接着式の履帯の“自然な”たるませ方を紹介します。
  車体に穴を開けて真鍮線などで押さえる方法や、ティッシュを詰めて固定する方法は
  模型誌にも紹介されていますが、私(管理人)が今まで模型誌などでは見たことがない方法です。

   ※画像をクリックすると大きな画面でご覧になれます。

タミヤMMシリーズ255 マーダーVMです。
キットの足回りは、説明書通りにほぼ組み上げます。
起動輪は車体には接着しません(まぁ、ポリキャップ式ですが)

履帯も接着しておきます。
用意するものは真鍮線です。
今回は「0.4ミリ」と表示のあるものを使用しました。
履帯をたるませたい部分の長さにカットしておきます。
(履帯の幅や長さによっては、もう少し太目のものを選びます。)

真鍮線を履帯のセンターガイドの内側(センターガイドが1列の場合は、
完成後に目立たないように車体側)の付け根にゼリー状接着剤で固定します。
この後、しっかりと固定するまで時間を空けるのは
言うまでもありません。
車体の起動輪を一度外し、履帯に咬ませて
接着した真鍮線が取れないように
注意しながら車体に仮付けします。

(真鍮線を接着した側は上部です)
足回りに仮付けしたら、ピンセットなどで軽くたるませる位置付けをします。
強度面などで不安ならば、足回りに取り付けずに横に並べて
位置決めをしても構いません。
一度車体から取り外し、カーブの微調整をします。
コツとしては、実際の完成後のカーブよりやや強調すると
うまくいくと思います。
もう一度車体に取り付けて確認します。
車体に穴を空けずに“自然な”カーブが出来ました。
この後、車体・履帯それぞれに塗装・ウエザリングして再々装着し
最後に不自然に浮き上がらないように上部サポートローラーに
瞬着で接着して完成です。
同じ車体にモデルカステンの連結式履帯を装着してみました。
上の画像と比べても(ディティールは別として)
たるみ方は違和感はないと思いますが
如何でしょうか?
参考までに…
この方法で管理人が作ったヴェスペです。
発売後、すぐに制作しましたから今から10年位前ですが
経年変化は殆どありません。
 当時メンバーから、履帯はモデルカステンを使ったのか?と
よく訊ねられました。

注意点

   これはタミヤの接着式履帯で有効な方法です。谷や〜んからの報告によりますと、
  同じタミヤ製でも以前の焼き止め式ポリ製履帯では真鍮線が接着できなかったそうです。
  その場合は細い強めの糸などで履帯に数箇所、括り付けると良いそうです。
  ポリ製履帯でもしっかり固定できる接着剤はないか、今後の研究課題です。
   真鍮線の太さは、太すぎるとサポートローラーにうまくフィットしないし
  細すぎるとカーブが出しにくくなります。最初はこの辺の見極めが必要でしょう。
   また、重戦車系の幅広の履帯ではうまくカーブを出すことが難しいようです。
  これも今後の研究課題です。

最後に…

  この方法、実は管理人が70年代の第1次AFVブームの頃、家の工具箱の中から針金を探し出し
  それと父の釣り道具から釣り糸を失敬して、タミヤのキットのポリ製履帯に括り付けてやっていた事です。
  それを現在の道具でもっとうまくできないかと考えた結果です。
  細かいディティールにはこだわらない、またはキット制作にあまりお金を掛けたくないと思われる方は
  是非一度、お試し下さい。